5分でわかるIELTS

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現在海外で最も有利な英語資格はIELTS

世界にはTOEIC、TOEFL、ケンブリッジ検定など様々な英語検定資格がありますが、その中で最も影響力が強いのはIELTSです。
IELTSの試験点数は世界中の就職、永住、教育期間への入学などさまざまな分野で蜘蛛の網のように絡んで来ます。
2016年の世界におけるIELTS受験者数は250万人。その内日本人の受験者は3万5千人。日本のメイン企業の英語基準はTOEIC。2016年に日本でTOEICを受講された方は271万人。
現時点で日本人の受験生の数字の上ではTOEICに大きく引き離されていますが、海外活動という視点ではIELTSが圧倒的な影響力を持ち、TOEICは微弱な力しか持ちません。

海外就職に有利

イギリスでは外国人の労働ビザ申請者に対して前提条件としてIELTS6.5(イーチ)を要求します。TOEFLやTOEICの点数は認定いたしません。オーストラリアではIELTS5点(オーバーオール)で『仕事ができるレベル』、6点(オーバーオール)で『優秀なイングリッシュスピーカー』とみなされます。ニュージーランドでは外国人の労働前提条件としてIELTS4以上(オーバーオール)を要求します。カナダでは各企業が独自のIELTS点数前提条件を提示いたします。通常はIELTS6.0くらいです。
※IELTSは二つの評価尺度がありイーチはスピーキング、リーディング、ライティング、リスニングの4つで構成される試験科目の各点数で評価され、オーバーオールでは4つの科目の総合平均点で評価されます。
イギリスが要求するIELTS6.5イーチは全科目で6.5を取らなければならないという意味になります。
受験生のIELTS受験結果表
あるIELTS受験生の試験結果。オーバーオールは7.0点と非常に高いですがライティングが弱いので6.5点イーチには届きません。

大学入試の基準

IELTSはオーストラリア、イギリス、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカの大学で『好ましい英語力証明書』として認定されております。大学によって必須点数に差がありますが、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの大学の場合通常オーバーオールスコア5.5~7.0が求められます。ヨーロッパの大学ではIELTSのみを英語資格として受け入れるという風潮が強まっております。一方TOEFLの牙城であるアメリカでも名門ハーバード大学をはじめ3,000以上の教育機関で受け入れられています。
ケンブリッジ大学
ケンブリッジ大学、イギリス

海外永住に必要

一方IELTSはオーストラリア、ニュージーランド、カナダへの移民の必要条件となっています。海外移民永住に必要なIELTS点数はIELTS6.5~7.5と高いです。
カナダへの移民宣伝ポスター
カナダ政府広報移民奨励ポスター

IELTSとTOEICの違い

私事で恐縮ですが昔TOEIC本試験のリスニング部門で満点を取った事があります。ですがその当時も今も私は英語がかなりできると思ったことはありません。もし私が英語の達人と胸を張って言える日が来るとすればそれはIELTSをイーチで7.5点を獲得した日になるでしょう。
達人という文字が貼られたコカ・コーラ

TOEICとIELTSの違いは大きく二つ。
TOEICはリーディングとリスニングの部分限定試験であるのに対して、IELTSはスピーキング、ライティング、リスニング、リーディングの基本をカバーします。TOEIC高得点者の中にはスピーキングはからきしだめという人間は存在いたしますが、IELTS高得点者の中には存在いたしません。
TOEIC試験では受験者が答えを探すスタイルです。IELTSもリスニングとリーディング部門では同じですがライティングとスピーキング部門では自分の意見とそれを支える根拠の説明が要求されます。どんな状況でもとっさに英語で反応できる対応力が試されます。

IELTS点数の目安

IELTS6.0~6.5点を持っていれば世界では英語がかなりできるとみなされるでしょう。就職や大学の条件をクリアできるレベルです。
TOEIC600点~800点の英語中級者がフィリピン12週留学で目指すレベルです。
英語初級者でもフィリピン留学24週で狙えます。
7点以上はかなり難易度が高くなります。スピーキングとライティングが弱いTOEIC900点台の方がフィリピン留学12週で到達できるレベルです。

IELTSの試験内容

IELTSはスピーキング、リーディング、リスニング、ライティングの4つの科目の試験内容で構成。すべての試験時間を合計すると2時間45分になります。試験はAcademicモジュール、General Trainingモジュールの2タイプがあり留学はAcademicモジュール、移民はGeneralモジュール、就職はAcademic、Generalどちらかのケースバイケースとなります。2タイプの試験内容は重なっている部分が多いですがGeneralモジュールのほうが若干難易度が低いです。ただGeneralモジュールは間違いに対する減点比率がAcademicより大きいので一概にGeneralモジュールが有利とは言えません。

IELTSの試験内容別でまとめた表

IELTSスピーキング(試験時間15分~20分)

  • 試験形式は試験監督とのマンツーマンインタビューによる3つの質問に対する質疑応答。
  • 最初の問題では簡単な自己紹介や家族紹介。
  • 2番目の質問は試験監督が提示するカードに書かれた題材について説明。
  • 3番目の質問は2番目の質問の題材に対してさらに踏み込んだ説明が要求されます。
  • 例えば2番目の質問が地元の隆盛産業の説明である場合、3番目の質問は自分が市長だとすれば何を改革すれば市民にとって一番いいかなどになります。
  • 口頭インタビューは録音され、IELTS試験センターでまとめて評価されます。
  • インタビューされるのを待つ青年の絵

    IELTSリーディング(60分)

  • 歴史、政治、文化、化学、化学、教育などさまざまなジャンルから3つの記事やエッセイなどが提示されます。
  • 3つの文章の分量は2,000~2,750単語で40個の質問が用意されています。
  • 正解の選択肢の中にtrue(正しい)、false(間違い)以外にもNot Given(質問のような情報は本文にはない)というユニークな返答項目があります。
  • 正解が二つの返答例どちらにも当てはまるように見えるひっかけ問題が多いです。
  • 普通に読んで質問の答え合わせをしていると時間が足りなくなります。
  • 日本人はリーディングを得意とする人が多いです。
  • IELTSライティング(60分)

  • Task1(150単語以上の記述が必要)とTask2(250単語以上の記述が必要)の二つの出題形式があります。
  • Task1では与えられたテーマに対して正式なフォーマットに従った正確で的確な文章が書けるかどうかが評価されます。
  • Task2では与えられたテーマに対して自分の意見を述べ根拠を示す文章が書けるかどうかが評価されます。
  • Task1では手紙、請求書、グラフ、表などの記述に使われる決まり文句をきっちり憶えれば点数を取れますが、Task2では自分の考え方を頭からひねり出さなければなりません。
  • まったく同じ単語を使いまわしたり文章上適切でない単語を用いたりすれば減点対象になります。
  • 日本人はTask2を苦手とする傾向があります。
  • 両腕でバッテンじるしを作り拒絶反応を示す日本人

    IELTSリスニング(30分)

  • 質問は4つのセクションに分かれ40の質問が用意されています。
  • TOEICと違い自分で単語を筆記しなければならない回答もあるので正確なスペリング知識も要求されます。
  • TOEICやTOEFLと異なりリスニング問題を聞きながら問題用紙にメモを書く事が許されていて、別に解答用紙に回答を書き込みをする時間が与えられています。
  • セクション4では7~8分のナレーションが続き、それに対して10問の質問が用意されているので記憶力も大切になってきます。
  • TOEICのリスニング試験に比べ全体的に難易度が高いです。
  • AcademicとGeneralの共通点及び違い

  • AcademicもGeneralもスピーキングとリスニング部門では試験内容がまったく同じです。
  • ライティング部門Task1ではAcademicが表、グラフ、物の製造工程などの英語による説明記述なのに対し、Generalではフォーマルな手紙作成がメインとなります。
  • ライティング部門Task2のエッセイ作成はAcademicもGeneralも同じです。
  • リーディング部門でのAcademicの出題文はすべて長い文章であるのに対し、Generalでは広告文、看板などビジュアル的で文章が短いものも含まれております。
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