フィリピン国民に日本の食文化を伝える事を優先課題に掲げる誇り高きサムライたちがいます。2017年2月にマニラのバクララン市場でフードコートを立ち上げた日本人経営者たちです。[br num=”1″] 日本人フードコートの名前は『横丁』。ビル4階の日本レストラン専用フロアに10数店舗が展開いたします。
場所はマニラのキリスト教施設として高名なバクララン教会の斜め向かいにあります。
ロケーションで見るとマニラ国際空港のすぐ北側、マンモス施設であるモールオブエイシア(MOA)の南東に位置します。
横丁が好ましいと思える点
日本食文化フィリピン伝道者を意識する日本人経営者達のあっぱれな姿勢は以下の事から汲み取れます。
横丁のマップ、行き方、店舗情報
横丁のマップ
バクラランの日本人フードコート『横丁』へはマニラ市内電車LRT1号線バクララン駅(上記マップ右上)から徒歩3~4分です。フードコートへの目印はバクラランチャーチ(正式名:National Shrine of Our Mother of Perpetual Help)というマニラ人なら誰でも知っている立派な教会です。その正面玄関の斜め前のビル4階に『横丁』があります。
横丁への行き方
LRT1号線バクララン駅下車階段付近からバクララン市場に向けた写真撮影となります。市場の方向にまっすぐ進みます。バクララン駅は終着駅ですので乗ってきた方向と反対側を歩きます。市場を200メートルくらい進みますと右斜め方向に右折できる道がありますのでそこを右に曲がります。
右折して200メートルほどすると左手に有名なバクララン教会があります。どでかいのですぐわかります。もし横丁までの道に迷えばバクララン教会を目指せばよろしいです。
バクララン教会では水曜日にミサを行い、マニラ市民が殺到します。平日の中で特に水曜日にマニラ市内の交通渋滞が目立つのはこのミサに多数の人々殺到するため移動人口が増えるからだと言われています。
入館無料。観光客でも教会内に立ち入る事ができます。
バクララン教会を背に斜め左を見上げると『Victory Food Market』と書かれた写真が見えます。そのビルの4階が日本人フードコート横丁です。
マニラ・バクラランの『横丁』とは
飲食店経営に携わる日本人友人たちが同時に立ち上げたフードコートです。出典:マニラ湾岸のバクラランエリアに日本食フードコート コート内にはラーメン、豚丼、スィーツ、串焼き、すきやき、うどん屋、たこ焼き、天ぷらなどのお店があります。営業時間は午前11時から午後10時まで。
横丁に立ち寄った時間は午前11時30分から午後1時30分までの2時間。その間に20数名のお客が来ましたが全員フィリピン人です。日本人は一人もみかけませんでした。お店の店員によるとお客のほとんどは地元の人で日本人客はごくたまにしか来ないそうです。
3店舗で試食
日本人フードコートを訪れたのは2017年8月19日土曜日。3つのお店を食べ歩きました。
たこ焼き
最初は前菜としてたこ焼きを頂きます。
表面は柔らかいです。中にネギとキャベツがたっぷり入ってジューシーです。タコは小ぶり。
この日同行したのはフィルイングリッシュの大阪出身女性スタッフ。『この味なら合格』とたこ焼きには辛口の関西人が及第点を与えていました。
作り置きはせずオーダーを受けてから調理します。4個で74ペソ(163円)。8個入り140ペソもあります。
味噌ラーメンと餃子
埼玉のラーメン屋さんの支店だそうです。味噌ラーメン二つと焼き餃子一つを注文しました。
味噌ラーメンの具はひき肉とねぎ。普通においしいです。麺もスープもいけます。
餃子はこぶりですがとってもジューシーです。タレも日本の味です。そしてふんだんに上にかけられたネギ。私はオルティガスのメガモールにある大阪の王将が好みですがこちらの焼き餃子がさらにお気に入りになりました。
スィート
締めはスィーツ。
店舗名はKiyochan。飲み物とクレープのお店です。英語で東京No.1のスイーツと書かれたポスターが掲げてあります。英語で『許せる嘘』の事を『white lie(白い嘘)』と言います。(笑)
注文したものは『Mango sa Mangga』です。タガログ語でManggaはマンゴーの事。直訳すると『マンゴー味』といったところです。ヨーグルトにマンゴーと豆粒が散りばめられたもの。甘さ控えめで落ち着く味です。私も同行したスタッフもかなり満足です。
各店舗精算合計
たこ焼き4個=74ペソ(163円)。
味噌ラーメン2杯(1杯199ペソ×2)=396ペソ(871円)。
焼き餃子ひと皿=79ペソ(173円)。
Mango sa Mangga2杯(1杯79ペソ×2)=158ペソ(347円)
3店舗2名の食べ歩き合計金額は707ペソ。日本円にして約1,555円です。
フィリピンの日本企業系レストランが特別に設定している10%サービスチャージが価格に上乗せされる事はありません。横丁の値段はすべて表示価格そのままです。
バクララン市場
概要
今回ご紹介させていただいた日本人フードコート『横丁』はバクララン市場の中にあります。マニラ2大市場のひとつで北のディビソリア、南のバクラランと言われています。
ディビソリアは日用品やお祭りなどの装飾品を売る店が多いのに対し、バクラランは衣類、靴、化粧品のお店が目立ちます。地元小売店の人たちが商品を安値で買いに来る卸売り問屋の役割も担います。
治安
バクララン市場がある地域は外国人観光客があまり立ち寄らず地元民が群衆単位で集まる場所です。夜の治安はよくないと聞いております。夜に行かれるのは避けたほうがよろしいと思われます。
昼前に訪れ駅からフードコートまで大通りを歩いていくのであれば問題ないと思います。人通りが多いので白昼凶悪犯罪が起こる事はほとんどないです。ただスリがいますし、日本語で声をかけてくる人間もいます。
ぼーっと立って携帯に集中するような行為は避け、人に声をかけられても無視する事が重要です。
MRT3からLRT1の乗り換え
バクララン駅はLRT1線ですので日本人がよく集まるマカティ、オルティガス、ケソン市からは市内電車MRT3線に乗って終着駅のタフトアベニュー駅でLRT1線のEDTA駅に乗り換えです。バクララン駅はEDTAのとなりの駅となります。
タフトアベニュー駅とEDTA駅間の乗り換えはデパートを間にある通路を利用すれば地上におりなくても移動できます。
MRT3のタフトアベニュー駅の改札口をでるとあちこちに上記写真のようなLRT1線を案内するサインボードがあります。それに従い移動すればEDTA駅にたどり着けます。
最後に
フィリピンに進出する日本の飲食企業は多いですが顧客層は日本人旅行者、留学生、海外勤務者、フィリピン人以外の外国人、フィリピンの富裕層がメインターゲットに思えます。
まず値段設定が高い事。一食大体400~500ペソが相場です。いい食材を使い、いい立地で立派な店を構えるので仕方ないとは思います。
現地の人たちのすこし背伸びした贅沢はスターバックスやマクドナルドです。120~160ペソ。400~500ペソですと手がでません。
それとフィリピンにある日本企業系の飲食店はメニューの価格にサービスチャージとして10%を上乗せ請求するところが多いです。ピザハットもマクドナルドもスターバックスも実施しない日本特有のフィリピンでの請求方式です。
会計時に支払うお金が追加されるやり方は地元のフィリピン人には受け入れられないでしょう。リピーター獲得を遠退けます。
日本飲食業の海外進出により私も恩恵を受けています。ですが日本の偉大な食文化を定着させるという側面でフィリピンを見ると寂しいです。
横丁の値段は一食120~220ペソくらいです。日本人からすれば給料後に2千円のステーキを食べにいく感覚かもしれません。フィリピン人でも決して手が届かないわけではないです。
地元の人々に手の届く値段で勝負する。地元の人々をターゲットの基本に考える。潔い心地よさがあります。すっかり横丁のファンになりました。リピーターになるつもりです。
動画
こちらバクララン教会、横丁とバクララン市場を散歩した時の動画をまとめたものになります。