マニラから飛行機を使わなくてもフィリピン各地に移動可能なバス路線があります。
ルソン島南部レガスピ、ピサヤ中部イロイロやバコロド、最南端バギオなど。途中フェリーでつないで島間を渡っていく箇所がありますがメインの移動手段はバスです。
全国津々浦々を網羅するバス会社は他にもありますがその中でも特にカバー範囲が広いパサイのフィルトランコ(Philtranco)をご紹介させていただきます。フィルトランコから各方面へ毎日すくなくとも1本以上の定期便が運航されております。
毎日出発するフィルトランコ長距離バスの行き先
行先別マップ
- ★が起点のマニラ・フィルトランコ
- ①はミンダナオ南部ダバオ
- ②はミンダナオ北部カヤガン・デ・オロ
- ③はバナイ島イロイロ
- ④はバナイ島アンティーク
- ⑤はレイテ島リロアン
- ⑥はルソン島レガスピ
- ⑦はルソン島イリガ
- ⑧はルソン島ナガ
- ⑨はルソン島ダエト
- ⑩はルソン島クラーク
- ⑪はルソン島スービック
・大海を渡らなければならない西部パラワン諸島へのバスはありません。
・フィルトランコにはフィリピン第二の都市セブをつなぐバスはありません。
・長距離バスは毎日1本以上運行されております。
・島と島を結ぶフェリーは別料金です。フェリーで別の島に移動してから再度バスに乗ります。
・フェリーの代金はピンキリです。ルソン島南部からレイテ島までの料金は250ペソしたと実際に購入された方から話を聞きました。
起点からの移動距離と移動時間
マニラからの行先 | 移動時間 | 移動距離 | バス移動料金 |
---|---|---|---|
ダバオ | 49時間 | 978km | 2,824ペソ |
イロイロ | 20時間 | 467km | 1,096ペソ |
リロアン | 30時間 | 668km | 1,950ペソ |
レガスピ | 12時間30分 | 471km | 798ペソ |
参考文献
PHBus
2020 Philtranco Bus Ticket Rates
rome2rio
飛行機移動との比較
レガスピ行きの場合
マニラからレガスピ | 料金 | 移動時間 |
---|---|---|
飛行機 | 2,590ペソ | 1時間10分 |
バス | 798ペソ | 12時間30分 |
実はこの航空券は僕が実際に買ったものです。早朝便ですので昼間や夕方便よりは安いです。セブパシフィックでマニラからレガスピまで。僕の場合週末しかお休みがないのでバス利用の選択はありませんでした。
レガスピに行く目的はそこから30㎞離れたジンベイザメが回遊するダイビングスポットドンソールに行くため。バスでの利点はドンソールまで連れて行ってくれること。飛行機ですとレガスピ空港からバスかバンに乗って2時間ほど移動しなければなりません。
それとバス利用ですと帰国時間ぎりぎりまでダイビングを楽しめます。ダイビングをして飛行機に乗る場合最低でも18時間は時間を空けなければならないというルールがあります。急激な気圧の変化による減圧症のリスク回避のためです。
写真はレガスピ空港の近くにあるドンソールのバスターミナルに停車しているフィルトランコバス。マニラのフィルトランコパサイバスターミナル行です。距離は約500㎞。移動時間は約13時間。
ダバオ行きの場合
マニラからダバオ | 料金 | 移動時間 |
---|---|---|
飛行機 | 2,089ペソ | 2時間5分 |
バス | 2,824ペソ | 49時間 |
ダバオ行きをフィルトランコとセブパシフィックで比較してみたところ意外にもフィルトランコのほうが高かったです。但し飛行機は購入時期や出発時間で値段は大きく異なります。断片的な値段を見て判断されるのは危険です。同じくらいと見ておいたほうが無難だと思います。ですがバスですとフェリー料金が別途かかるので飛行機よりバス移動のほうが高いです。
バギオまでわざわざ遠回りして3~4日間もバスに揺られながらダバオに移動するメリットはった一つに思えます。道路によるフィリピン全土横断体験です。時間が許せばやってみたいです。
フィルトランコについて
フィルトランコのマニラホームグラウンドはマニラ北側のクバオバスターミナルエリアと南側のパサイバスターミナルエリアにあります。今回紹介させていただいているのは長距離バス便が多いパサイエリアのターミナルとなります。
パサイフィルトランコの場所
フィルトランコバスターミナルはMRT3号線の終着駅であるタフト駅から徒歩7分くらいです。駅からいまたどってきたマカティ方面を見ると右斜め側にフィリピン最大手ファストフードショップジョリビーの大きな看板が見えます。その目の前がフィルトランコバスターミナルです。このエリアはGenesis、ビクトリーライナー、Partas、DLTBなど15くらいのバス会社の発着地が密集するエリアとなります。
こちらフィルトランコの前にあるジョリビーからタフト駅方面に向けて撮った写真。高速道路のカーブした部分の真下がタフト駅です。
入り口から入るとチケット販売カウンターがあり、さらに奥に進むとフィルトランコのバスが十数台待機しています。
フィルトランコの印象
フィルトランコや他のバスを使って海を渡った長距離移動をした事がありません。島と島を結ぶボートの一時乗り換えなどの様子をご紹介できなくて申し訳ありません。ただマニラ‐クラーク(ダウ)間はしょっちゅう利用しておりますのでその印象について簡単に説明させていただきます。
一番の印象は車両が古い事。ボロボロというわけではありませんが、ピカピカは見た事がありません。Partas, Genesis,ビクトリーライナーなんかは新車が多いです。これら3社は少し古くなったら下取りに出して新車を購入している印象を受けますが、フィルトランコは下取りに出されたバスを購入して自社用に改装しているのではないかと疑ってしまいます。それほど新バスは見かけません。
パサイとマニラの往復運賃は通常150ペソが相場です。フィルトランコは160ペソ請求される事が多いです。他よりぼろくて若干高いというのが僕の印象です。ただマニラ‐クラーク間の便数がGenesisやビクトリーライナーなどより多いので利便性がよく、僕は重宝しております。