乗り心地が最悪だったRabbitバス、快適だったPartasバス

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Partasバス(左)とRabbitバス(右)の写真

フィリピンでの長距離区間移動の手段はバスになります。長距離列車がないからです。
それほどたくさん乗ったわけではないですが、同じ週末に非常に乗り心地がよかったバスと乗って不愉快だったバスを連続体験いたしましたので簡単にご報告させていただきます。

トホホだったRabbitバス

Rabbitはマニラ近郊の路線区間およびルソン島北部のアンヘルス、クラーク、ターラック、バギオなどを結ぶ路線を運行しております。

最初の小さな『おや?』

深夜のDAUバスターミナル
Rabbitを利用させていただいた区間はアンヘルス・クラークにあるDAU(ダウ)バスターミナルからバギオバスターミナル。
運賃は380ペソ(約798円)。他より若干高い事に気づきます。この路線はいままで20回以上利用していますが、マックスで350ペソ(約735円)。2018年6月に同区間をGenesisバス会社で移動した際の運賃は306ペソ(約642円)。350ペソを超えたのは今回が初めて。
車両は超デラックスというわけではないですが、悪くありません。日本の観光バスレベルです。
写真はRabbit乗車前のDAUバスターミナル。

眠れない

Rabbitの深夜便車内
バス移動中深夜になればテレビも電気も消されるという習慣は日本でもフィリピンでもほぼ同じです。ですがRabbitは室内電気フル点灯でテレビもつけっぱなし、ボリュームもガンガンです。これは過剰サービスではなく安眠妨害です。
DAUを出発したのは午後23時30分。この状態は少なくとも午前3時まで続いていたので夜明け前までボリュームがガンガンだった事になります。
写真はRabbitバス車内の様子。この状態がずーっと続きました。

ちんたら運転

DAUからバギオのバス移動時間は通常は4時間~5時間。今回は5時間40分。深夜ですので移動は通常より時間がかからないはずです。遅い理由は迂回して、あちこちの客を途中乗車させているからです。他のバスでも2~3の停留所でお客は乗せます。ですがRabbitはあちこちの一般道路道端で客を乗せていきます。その回数は十数回に及びました。地方に住んでいる方々にとってはありがたいシステムですが最初からバギオ目的でDAUかターラックバスターミナルから乗っている人たちには辛いです。他より遅れる分値段設定は割安になるべきですが。。。
客乗せのための一般道路走行ですので、高速道路も使いません。

極めつけ

Rabbitでおおきな不満がもうひとつあります。休憩があまりない事。DAUから1時間後にターラックという街で休憩。DAUとターラックは近いのでこれは休憩というよりはターラック大型バスターミナルでのまとまった客乗せ停車に思えます。そしてそこからバギオまで休憩なし。
他のバス路線では通常2~3回はトイレ休憩があります。乗車中ウトウトしていた時もあったので絶対ないとは言い切れませんが、少なくとも車掌が声をあげて休憩と叫んだ事はなかったと思います。
午前4時30分くらいにバスが数分間停車します。車掌だけ外に出ます。休憩かと思いやそうでもありません。ただ止まっているだけです。すこしして車掌がパンとコーヒーを持ち帰ってバスに戻ります。自分の食事のためだけに停車して、再出発。その間、乗客たちには何も伝えておりません。ありえないですね。ターラックからバギオまで4時間40分、乗客たちはノンストップで移動させられる事になりました。

おすすめ出来るPartas

Rabbitと対照的だったのがPartas。翌日に利用しました。バギオ-ビガン間とビガン-マニラ間です。
Partasはマニラとルソン島北部を結びます。路線範囲はRabbitよりだいぶ広いです。

3人座席バスの登場

3人バスの車内写真
ビガンからマニラに向かう直行バスで乗ったPartasの車両は3人座席でした。フィリピンで初3人車両です。足をゆったり伸ばせてのびのびの快適さです。マニラまで8時間10分の旅でしたが疲れませんでした。
他のPartas車両は皆4人座席でしたので一般普及はまだまだです。ですが座席数を少なくしてお客の快適さを追求する姿勢を感じます。他の運輸会社で3人座席バスを体験したのはバギオとマニラ空港を結ぶGenesis社のジョイバスのみ。
運行中はポップ音楽が流れていましたがボリュームは控えめです。気遣いを感じます。

独自の休憩所

PartasはPartas専用のドライブイン休憩所を持っています。トイレも他のバス会社が停車するドライブインより綺麗ですし、5ペソのトイレ利用料金も取られません。2時間から2時間30分間隔のPartas休憩所停車でした。
24時間営業の施設は小奇麗に店別に整理されていて、店員たちも愛想がいいです。Partasに雇用されている人たちなのでしょう。接客の教育がよく行き届いていると感じました。
専用ドライブインもおそらくPartasだけです。このようなシステムがあれば地方私設ドライブインと運転乗務員の間の癒着も発生しにくいです。Partasのオーナーはバス会社以外に建設会社も運営しています。
Partas専用ドライブイン

早い

ビガンからマニラまでは400km。マニラのクバオPartasバスターミナルまでは移動時間8時間10分でした。このスピードの速さはこの車両が高速道路特別路線バスだからです。DAUからバギオまでは180km。バギオからビガンまでは190キロ。合計370kmですので走行距離はさほど変わりありません。ですがDAUからバギオ経由でのビガンまでの車両移動時間は12時間近くかかりました。バス乗り継ぎ時間を含めますとトータル14時間くらいです。
このPartasバスの料金は825ペソと高くありません。他のバス会社を使ってマニラからバギオ経由でビガンに行く場合の平均運賃は800~850ペソほど。

おわりに

ドライブインのPartasバス
DAUからバギオまでは途中10分休憩を2~3回いれても通常4時間~5時間。深夜なら道路が空いているのでさらに早いです。
Rabbitの移動時間は5時間40分。他のバスより時間がかかる。料金は割高。休憩なし。一般道路で客を拾い上げるため高速道路はほとんど使わない。経営者にだけ都合がいいシステムに見えます。

Partasのオーナーはルソン島北部のイロコス州の州知事を長く勤めていたそうです。顧客の快適さを追求する、従業員の働きやすさを追求する。慧眼と実行力を兼ね備えた方のように思えます。

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