マニラのマラテは治安がいい場所ではありません。近年殺人事件は聞かなくなりましたが強盗、詐欺、スリなどの犯罪は今でも健在です。
危険地帯であるにもかかわらずマラテは無視できません。ここはマニラでは日本人を含む外国人旅行客に最も人気がある遊びスポットの一つだからです。
それとこのエリアを紹介しなければいけないもうひとつの理由があります。日本発マニラ格安フリーツアーの宿泊先としてマラテのホテルが指定される事が多いです。初マニラの泊まり先がマラテの方に微力ながら少しでもお役に立ちたいと思っております。
マラテは花街であり、カジノの街です。又両替屋が多く外国通貨為替交換レートがいいのでマネーチャンジャ―の街としても知られています。
マラテの立地
マラテはマニラの北西エリアに位置します。マカティからタクシーで20分もあれば移動できると思います。最寄り駅はLRT1号線ペドロヒル駅から下車して徒歩5~6分ほど。
マラテの中心は大型ショッピングセンターロビンソンです。ロビンソンの北側がエルミタ、南側がマラテです。ツィンシティで構成されているのでこの地区はマラテ・エルミタ・エリアと呼ばれます。ただ最近は人通りも建設ラッシュもマラテのほうに勢いがあります。
マカティ、イントラムロス、チャイナタウン、モールオブエイジアなどマニラを代表する観光スポットへのアクセスが抜群にいいので治安を除けばベストな立地です。ロビンソンからマニラ湾まで徒歩3~4分くらいでいけます。
マラテ一帯のグーグルマップです。①がロビンソン、青い点線がロビンソンと噴水公園を結ぶアドリアティコ通り、②が噴水公園、③がマビニ通り、④がエルミタ・エリア、⑤がマニラ湾、⑥がLRT1号線ペドロヒル駅です。⑦は日本の旅行会社がマニラ短期格安ツアーの宿泊先の一つとして指定しているパーム・グローブ・ホテルです。
メインストリート・アドリアティコ
マラテ地区で一番人通りが多いエリアはロビンソン前をつなぐアドリアティコ通りです。ロビンソンからアドリアティコ通りを通って550メートル先の噴水公園までが一番栄えています。この区間でうろちょろする分には大した治安の心配はないでしょう(たぶん)。
写真はアドリアティコ通りに立地するパーム・グローブ・ホテル1階のカフェ。パーム・グローブ・ホテルは日本の旅行会社が指定する格安マニラツアーの宿泊施設の一つです。ロビンソンの右斜め前に立地します。このカフェの奥に割ときれいなトイレがありますので、日帰り観光客はこちらでコーヒーなどを飲まれて休憩所代わりに使ってもいいと思います。マクドナルドの道路反対側隣です。このカフェ訪問時に日本人じいさんとティーンエイジャーらしきフィリピン女性のいびつなカップルがいました。
レメディオスサークルと呼ばれる噴水公園まで繁華街通りが続きます。高級ホテル、女性が接待するパブ、日本料理、居酒屋、スーパーなどひと通りお店が揃っています。
写真右手のグリーンの建物はパンパシフィックホテル。1階はカジノ賭博場です。マラテ一帯にある高級ホテル、超高級ホテルの1階はだいたいカジノ施設となります。
こちらは日本のラーメンコーナーを設置する地元フィリピン食堂。フィリピン在住のユーチューバーたちに紹介されていたこともあって醤油ラーメンを一度食べた事があります。90㌷。麺は結構うまかったですがスープは大陸系の味ですね。夜はたいへん混んでいてこちらでお酒を飲んでいる日本人グループの姿も見えます。
このお店から向かって斜め前に日本食堂という日本人経営レストランがあります。食材は日本から輸入しているそうです。
こちらのGyubou Yakinikuは今は日本の法律上食べられなくなってしまった生レバ刺しを提供します。ただ1人前580㌷(約1,218円)と値が張ります。セブの焼肉屋『粋』はその約3分の1の値段である200㌷(新鮮でボリュームがあって日本で過去提供していた味と変わらない)なのでちょっと抵抗がありまだこのお店に入った事がありません。でも日本で今は食べられないレバ刺しを味わえるので野暮な事は言いっこなしですよね。いずれレバ刺し目当てで訪れます。
こちらレメディオスサークル。噴水前で休憩していたり、運動やダンスをしている人たちがいます。噴水周辺を日本や韓国、フィリピンの高級レストランやカフェなどが取り囲んでいる形になります。
アドリアティコの一本横にマビニ通りが並びます。この二つの通りがマラテで最も栄えた場所です。アドリアティコ通りは女性が接待する場所も含むいろいろなお店がちりばめられているという感じですが、マビニ通りはKTV(女性接客カラオケバー)やパブなどがメインです。
噴水公園からさらに南に下るとマニラ動物園がありますが、夜は人通りが少なくさらに治安が悪くなります。
マニラ湾
マニラ湾はロビンソンからも噴水公園からも徒歩3~4分で行けます。
マニラ湾の夕日は地元の人が『世界で一番美しい』と自慢するほどフィリピンでは有名です。
マニラ湾の湾岸はよく整理されたきれいな散歩道となっておりますが、訪問時は舗装中でした。マニラベイウォークと呼ばれるフィリピン屈指の散歩スポットです。湾岸の道を歩いているとしきりに馬車に乗らないかと勧誘が来ます。外国人ですと大体30分500㌷がマラテ馬車の相場です。
マラテのホテルに泊まる場合には朝30分くらい湾岸を散歩するのもいいと思います。
夜の風景
アドリアティコ通りの夜
マラテのメイン通りだけあって夜も人通りが多いです。カップルだけでなく、中国や韓国の若い女性だけのグループも見つけられます。日本人男性はよく見かけますが、日本人女性だけのグループはほとんど見かけません。
マビニ通りの夜
客引きの女性たちがあちこちのお店の前に立っています。僕が通った時には10数名の女性達が円陣を組んで『今日も一日頑張ろう!』『おー!』とやってました。写真を取れなくて残念です。男性の客引きからはよく日本語で声を掛けられます。同じ花街であるアンヘレスシティのバリバゴと似たような雰囲気です。
こちらはマビニ通りにある日本人経営サウナ山忠(写真右側)。お風呂とサウナ利用、1時間のマッサージ付きで1,800円くらいです。ロビンソンから徒歩5分ほど。山忠のロビンソン側の並びに日本の格安マニラツアー指定先であるエグゼクティブホテルがあります。
エルミタの夜
久々に夜のエルミタに入って見るとマラテより暗く、人通りが少なく、観光客はあまり見かけませんでした。アドリアティコ通りとマビニ通りに人間を吸い取られている印象を受けます。夜のエルミタはマラテよりだいぶ危険に見えました。この道の先はエルミタの有名な女性接客のお店LA Cafeやマラテに続きます。
2019年に日本を騒がせた海賊版サイト『漫画村』事件の首謀者が日本から逃亡して隠れ潜んでいた場所はこちらエルミタでした。彼がマニラで捕まったのは僕の今回の訪問の5日前になります。
こちらはエルミタを代表する出会い系パブLA Cafe。数年前にマニラ訪問中の友達に誘われて一度行きましたが、店内の女性たちはとびきりの美人ばかりでびっくりしました。
地元の女子大学生がメインで働いていました。ロビンソンとマニラ湾の間の北側の道にあります。
マラテ・ロビンソン
こちらはマラテ・ロビンソンの内部。日本の高級デパートにいるような感じを受けます。ショッピングモールやショッピングセンターはフィリピンでは安全地帯と思われています。ただマラテのロビンソン施設内で大金のスリ被害にあったなどのウェブ記事を探せます。きらびやかな場所ですが油断大敵です。
こちらは1階にあるココイチカレーです。すごく儲かってそうです。料金は日本プライスより少し高いと思います。
おわりに
マニラの電車は湾岸の南北を結ぶLRT1号線と内陸部の南北を結ぶMRT3号線、東西を結ぶLRT2号線があります。有名地や観光スポットが集中するのは南北を結ぶ2本の電車エリアです。
MRT3号線沿線にはマカティ、オルティガス、ショーブルバード、ボニなど日本の繁華街やオフィス街と比較してもひけをとらないほど綺麗で整頓されたエリアが多いです。
歩いている人たちの身なりもきちっとしています。MRT3号線駅近辺の路上でたばこを吸っているとたぶん警察に捕まります。
一方マラテやエルミタなどマニラ湾を沿って走るLRT1号線の駅周辺は治安が悪い所が多く、アジアの熱風、混沌さを感じられるスポットが多いです。この辺では路上で堂々と煙草をふかしている肉体労働者的な人があちこちにいます。警察は路上たばこなどの小さな事にいちいち構ってられないのかもしれません。この沿線北部にはフィリピンで一番治安が悪いと言われているスラム街トンドもあります。
個人的な意見ですが、マニラの旅をするのに海岸側か内陸側かどちらが楽しいかと聞かれたら即座に海岸側だと答えます。何か面白い事に遭遇しそうですし、刺激も受けそうです。ただ初見の観光客でも気軽に遊べる安全地帯が多い内陸部とは事情が異なりますので人にはおすすめいたしません。
動画
こちら今回のマラテ取材を動画でまとめたものになります。