フィリピンのお金持ちたち(2017年長者番付ランキング)

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世界有数の経済誌フォーブス(本社はニューヨーク)は毎年春に恒例の長者番付ランキングを発表いたします。2017年度版のお金持ちランキングフィリピンベスト10人をご紹介いたします。
Philippines’ 50 Richest (Forbes)

2017年フィリピン長者番付ベスト10

1位はSM総帥

ヘンリー・シー。生まれ:中国。1924年12月25日 (92歳)。純資産201億USドル。
SM Clark
SMはフィリピン最大手ショッピングモール。大都市はもちろんのこと中都市などちょっとした街ならかならずあるのがSM。フィリピンの家族や恋人同士、友達同士がSMで週末をすごすというのがひとつのパターンになっております。映画館、イベント会場、各種販売店舗、スーパー、カフェ、レストランなどオールインワン施設です。置いてある商品の値段設定はすこし高め。

2位はセブパシフィックオーナー


ジョン・ゴコンウェイ。生まれ:中国。生年月日: 1926年8月11日 (91歳)。純資産55億USドル。

セブパシフィックのホームグラウンドターミナル3のチケットカウンター
マニラ国際空港には別々に離れた所に4つのターミナルがあります。その中で一番近代的で大きい物がターミナル3でセブパシフィックのホームグラウンドとなります。竹中工務店が設計、建築を行ったそうです。現在JAL、ユナイテッド、カンタスなど主な航空会社は老巧化が進むターミナル1に着陸いたしますが、徐々にターミナル3に移行していくというお話を聞いております。セブパシフィックはフィリピンを代表するLCCです。

3位は海運王

エンリケ・ラソン。生まれ:フィリピン。生年月日: 1960年3月3日 (57歳)。純資産43億USドル。
祖父が1916年にコンテナー業をスタートさせ、父が大きくし、孫であるエンリケ・ラソンだ国際企業に成長させます。アメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界中に海運ビジネスを展開し沖縄にも進出しているそうです。近年はカジノ産業にも進出し、マニラSMの象徴のひとつモールオブアジアの隣にソレイユというカジノ兼リゾートホテルを経営しております。
マニラにあるソレイユリゾートホテル
マニラにあるソレイユリゾートホテル。

4位はフィリピン航空オーナー

ルシオ・タン。生まれ:中国。生年月日: 1934年7月17日 (83歳)。純資産42億USドル。
フィリピン航空はナショナルフラッグキャリア(国を代表する航空会社)ですがホームグラウンドであるマニラ国際空港ターミナル2の賃貸料を過去20年も支払っていなかったそうです。メスをいれたのはデュテルテ大統領。10日以内に支払わないとターミナル2を閉鎖すると通告。フィリピン航空側は平謝りで数年に分けて支払うと陳謝。最初からそんなずるしなければ恥をかかずに済んだのに。。。未払額は72億ペソ。約158億円です。2017年はフィリピン航空にケチがついた年でした。
フィリピン航空専用マニラ国際空港ターミナル2の国際線出口付近
フィリピン航空専用マニラ国際空港ターミナル2の国際線出口付近。

5位はアヤラグループ総帥

ハイメ・ソベル・デ・アヤラ。生まれ:フィリピン。生年月日: 1934年 (83歳)。純資産37億USドル。
優雅、ゴージャス、セレブなどがぴったり合う施設がアヤラグループ系のショッピングモールです。マニラのグリーンベルト、セブのアヤラモールなど。フィリピンで一番おしゃれで洗練された商業施設は間違いなくアヤラ系でしょう。お店に並べられている商品もとても高いです。マニラの中流階級の人でも中々買えません。私も手が出ません。
セブのアヤラモール
写真はセブのアヤラモール。

6位は建設王

ディヴィット・コンスンヒ。生まれ:フィリピン。生年月日1921年10月18日(2017年9月4日死亡)。純資産37億USドル。
『血と汗と涙』がモットーだそうです。昭和の創業者みたいですね。果敢に攻め、失敗を恐れずのビジネススタイルだったそうです。工期の遵守と技術の高さで有名になっていきます。転機となったのはコカ・コーラの工場を工期の半年前に繰り上げ完成させた事。Story of Filipino Success(英語)そこから建設業の帝王に駆け上がっていきます。95年の駆け足の生涯。お疲れ様でした。
ディヴィット・コンスンヒ率いる建設会社 DMCI Holdings, Incorporatedが手がけたリゾートマンション

ディヴィット・コンスンヒの建設会社 DMCI Holdings, Incorporatedが手がけたリゾートマンション。

7位はメトロバンク会長

ジョージ・タイ。生まれ:香港 生年月日: 1932年。純資産36億USドル。
フィリピンに住んで不便と思うのは日本のキャッシュカードで日本の銀行口座からフィリピンのATMを通してお金を下ろせない事。みずほもリそなも三菱もだめです。唯一民間レベルで引き下ろしができるのは新生銀行の国際キャッシュカードのみ。
ジョージ・タイ様。ご助力よろしくお願いいたします。
Metro Bankのトレードマーク

8位はジョリビーオーナー

トニー・タン・カクチョン。生まれ:フィリピン。生年月日1953年。純資産34億USドル。

フィリピンの街角を歩いているとJolibeeとマクドナルドが並んで店舗を構えている光景をよく目にします。ライバル心むき出しですね。
どこに行ってもジョリビーのほうが客入りが多いです。びーびー泣く子供にお母さんが『泣き止まないと次の日曜日ジョリビーに連れて行かないわよ』と言うとぴたっと泣き止むという話を聞いたことがあります。
1970年代後半にジョリビー第一号店がマニラに設立されてから約40年。泣く子も黙るジョリビーはフィリピン市民になくてはならないファストフォードになっています。でもほとんどの日本人はジョリビーよりマクドナルドを好むと思います。
フィリピンのジョリビー店舗

9位はマルチ企業オーナー

アンドリュー・タン。生まれ:中国。生年月日1952年。純資産28億USドル。
10歳の時に父に連れられてフィリピンに渡り裸一貫で巨万の富を築き上げた伝説の男。マクドナルドのフィリピン国内運営総責任者であり、フィリピンで最も人気があるブランディー(Emperador Brandy、2006年には世界で最も売れたブランディー)の製造会社オーナーであり、大手建設会社の会長です。忙しい人生です。
アンヘルスバリバゴの玄関口にあるマクドナルド
アンヘルスバリバゴの玄関口にあるマクドナルド。間迎えにライバルジョリビーがあります。フィリピン・マクドナルドの営業許可はすべてアンドリュー・タンが取り仕切ります。

10位はサンミギュエルの会長

ラモン・S・アング。生まれ:フィリピン。 1954年1月14日 (63歳)。純資産22億USドル。
フィリピンの人たちの仕事後の憩いの場はサリサリ。雑貨店ですが木のテーブルと椅子を揃えお酒を出します。サンミギュエルは最も人気のビールブランド。軽口ですが美味しいと思います。
サリサリ価格は1本35ペソ(77円)。日本の倍くらいの大きさの焼き鳥が1本11円くらい。150ペソ(330円)あればサリサリに3時間くらい居座ってたくさん飲み食いできます。

サリサリストアと飲み客用の椅子とテーブル
サリサリストアと飲み客用の椅子とテーブル。

レビュー

Reviewと書かれたボード

フィリピンの中華系人口は5%や10%などさまざまな事が言われており実際の数字はよくわかりません。極端に少ない事は間違いないでしょう。その極少数派から7人がトップ10を占めています。ヘンリー・シー、ジョン・ゴコンウェイ、ルシオ・タン、ジョージ・タイ、トニー・タン・カクチョン、アンドリュー・タン、ラモン・S・アング。華僑恐るべし。
年齢は80~90歳代。第一世代が睨みを効かしております。
彼らには中国の四文字熟語『老当益壮』がぴったりきます。老当益壮=老年になっても、盛んな意気を持って、困難にも立ち向かう。
20代、30代のIT長者はまだトップ10に出てきておりません。その内彗星のごとく現れるでしょう。
フィリピン人の平均年齢は23歳と圧倒的に若いです。日本人の平均年齢は45.5歳だそうです(厚生労働省2013年統計)。
フィリピンの警備員の月収は平均1万ペソくらい(約22,000円)。一方プログラムなどコンピューターの知識が深い人は3万~4万ペソもらいます。この事はフィリピン人の間でもあまり知られていないようですがそのうち若者がコンピューター産業に殺到してその中から天才があらわれそうです。

2017年日本人長者番付ベスト10

ちなみにフォーブスが発表した2017年日本人長者番付ベスト10は1.孫正義(ソフトバンク)、2。柳井正(ユニクロ)、3.佐治信忠(サントリー)、4.滝崎武光(キーエンス)、5.三木谷浩史(楽天)、6.高原慶一郎(ユニチャーム)、7.森章(森ビル)、8.毒島秀征(三共)、9.伊藤雅俊(味の素)、10.三木正浩(ABCマート)となっております。

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