外税を取らないマニラの丸亀製麺はえらい!

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SMノースEDSAにある丸亀製麺
丸亀製麺は外税を取りません。日本でそのような事を大きな声で言えば『飲食業は基本内税だ。取り立てて強調する話ではないでしょ』と言われそうです。
フィリピンでも同じです。ビザハット、マクドナルド、スターバックスをはじめとする大手外資外食産業、Inasal、Jolibeeなどの国内大手外食産業。どこも外税を取りません。
メニューに書かれている値段そのままです。
ですが例外があります。日本から進出してきている飲食産業です。VATと呼ばれる12%の外税を付加する店が多く、VATとは別に10%のサービス料を追加付加する所もあります。それぞれメニュー価格と別料金です。
憧れの日本料理。せっかくのデートなので高いのはちょっと我慢してでも一度チャレンジしてみようと思う若いフィリピンカップル。店内でメニューを見ると他の外食レストランの倍くらいの値段がするので心臓がドキドキバクバク。
でもせっかくの機会だから清水寺の舞台から飛び降りる気合で『えいや!』とオーダー。食事に満足して精算しようとするとメニューよりも支払額が膨れ上がっている事にびっくり。なけなしのお金をはたいたのに今まで他のレストランで請求された事がない追加費用の存在に気づきます。日本料理を堪能した幸せ気分も後出しじゃんけんを食らっているようで台無しになるかもしれません。もちろんお品書きなどの横に外税の記入はありますが、なにせ非日本系ではどこもやってないですから一番最初に日本系のお店に入った時には外税の存在を見落とします。

丸亀が偉いところ

外税を取らない

かつ丼と釜揚げうどん
こちら私がオーダーした釜揚げうどん(並、95ペソ)とかつ丼(190ペソ)。場所はマニラのSMノースEDSAの1階。釜揚げうどんは文句なくおいしいです。さぬき独特のこしがあります。かつ丼は東京の立ちそばのそれよりはおいしいな、くらいのレベルに思えます。合計285ペソ。メニューに書かれている表示額そのままです。日本円にして合計599円くらいになります。フィリピン人でも十分手が届く金額です。私のようにメインディッシュを二つ頼まなければもっと安くなります。
これがマニラにあるとあるラーメン屋ですとラーメン一杯を注文して500ペソ。それにVat12%の60ペソとサービス料10%の50ペソが加算されます。合計610ペソ。日本円で約1,280円。日本円にしてもラーメン一杯の価格ですと大した金額になります。

厨房の中
SMノースESDAはフィリピンで一番大きなショッピングモール。世界規模でも3番目に大きいです。フィリピンを代表するショッピングセンターと言えます。その他セレブが集まるボニファシオのメイン通りに一軒、マカティのグロリエッタに一軒。合計3軒を展開します。
これら3つの地区はフィリピン人であればだれもが知っている名所。ここらにある日本人レストランはVATはもちろんの事、サービス料も独自で請求するのが一般的です。そのような家賃が高い環境でもフィリピンでは一般的な内税方式を貫いているのでよけいに偉いです。
2019年の正月にLNR1号線にある駅周辺をふらっと散歩していた時に偶然日本人経営の古びた食堂がありましたので立ち寄ってみました。値段は少し高めで食材も新鮮でなく、味もいまいち。昔からやっている店だと思われます。
ただ精算時に12%のVATが加算されていたので少しむっとしました。こんな施設がぼろくて、安くなく、とりたてうまいわけでもない店で日本の進出企業に便乗して外税をつけている事に腹が立ちます。

現地のひとたちに配慮した値段設定

マニラの丸亀製麺のメニュー
上記はSMノース丸亀さんのメニューの一部です。フィリピン仕様店舗展開なので日本にあってフィリピンにないもの、そしてその逆もありますが、ベーシックな部分は同じです。(僕が大好きな生醤油うどんがフィリピン丸亀になかったのは残念ですが。)
釜揚げうどんのフィリピン値段は並が95ペソ(約200円)、大盛が145ペソ(約305円)。2019年3月に丸亀製麺のホームページで日本店舗の釜揚げうどん価格を見てみますと並が290円、大盛が390円です。フィリピンのほうが安いです。


ランチでかけうどんとかき揚げ天ぷらのトッピング、おにぎりを注文したといたします。かけうどん(並)95ペソ、かき揚げ80ペソ、エビおむすび70ペソ。合計245ペソです。日本円にして約515円。
245ペソがフィリピン人にとってどんな意味になるかを申し上げますとバーガーキングですこしトッピングを加えたハンバーガーとフレンチフライとドリンクの一番人気のセットくらいの数字です。たしか230ペソだったと思います。
バーガーキングは大衆ファストフードのジョリビーやマクドナルドの1.5倍くらい値段がいたしますが、少し贅沢な外食としてフィリピン庶民に普通に受け入れられています。僕が住んでいる所の半径7㎞以内の二つの街にもバーガーキングが店舗展開を行っています。
今から2年くらい前にベトナム、ホーチミンの丸亀製麺でも食べた事があります。細かい値段は忘れましたが非常に安かった記憶があります。フィリピンと同レベルの価格帯とみていいと思います。明らかに現地の庶民に手が届きそうな価格帯に調整している事がわかります。経営者の立派な哲学を感じ取れます。

おわりに

丸亀製麺のレジ

皆さまは一杯1,280円くらいするラーメンに抵抗はありませんか?私はその値段でもたまにフィリピンで食べますがそれは他にチョイスがないからです。フィリピンでラーメン二郎や大勝軒、歌舞伎町にある500円で無料替え玉付きの博多ラーメン博多天神というチョイスがあれば恐らく立ち寄る事はないでしょう。日本より平均所得が圧倒的に低い国で日本の値段より高く売っている所がどうしてもひっかかります。
一杯1,280円のラーメン。日本のサラリーマンでもなかなか手を出せない金額です。平均所得が日本人の8分の1くらいのフィリピン人にとってはなおさらです。
海外に日本伝統の味を普及させる意味合いを持つ海外展開飲食業はやりがいのある仕事だと思います。現地の人たちの雇用機会も広げています。ですが提供している値段を見る限りフィリピンの財閥やセレブ、芸能人でない限りなかなか手が出せない金額でしょう。マカティでバリバリ働く一流企業マンにとっても厳しい数字だと思います。もともと高い一品一品にさらに独自の外税を加算させます。
ちょっと青臭いですが特定の富裕層だけでなく、一般庶民にも手の届くような素晴らしい日本料理であってほしいですね。そのような基準で見た場合丸亀製麺は100点満点です。ぜひぜひこれからも繁栄して店舗をもっと広げて日本の食文化を広げてもらいたいです。
今まで丸亀さんに入ろうと2回チャレンジしましたが、行列が長すぎて断念。時間帯は正午と午後1時です。今回は朝の10時半だったので待たずに入れました。それでも出るときは満席になっていました。

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