フィリピンの国家レベルの祝祭日を写真とともにまとめました。
フィリピンの祝祭日は決まった日にちに定められているもの、何月の何週目の何曜日など月の曜日で決められているもの、イスラム教カレンダーを基準にして毎年流動的なものなどに分かれます。
写真で見るフィリピンの国家祭日
正月
フィリピンでは毎年1月1日は休日です。定休日は元日のみですが2日、3日とお店を閉める所が多いです。写真はマニラ湾の夜明け。
旧正月
フィリピンはカトリック信者83%のキリスト国ですが周辺の台湾、タイ、ベトナムなどと同様に旧正月を国家に定めています。ただ東南アジア各地で大々的に見られる正月飾りや獅子舞イベントなどは行われません。写真はマニラ・チャイナタウンで展開される旧正月イベント。2020年の旧正月は1月25日土曜日です。、
エドゥサ革命
1986年2月にそれまで20年の間独裁を続けていたマルコス大統領を失脚させハワイに亡命せしめた市民革命。エドゥサ革命と呼ばれています。マルコスの不正選挙や腐敗政治に反対し数百万人の市民がマニラの街路でデモ行進を繰り広げました。写真は当時のデモ市民。エドゥサ革命記念日は2月25日。
Al Isra’ wal Miraj
神がイスラム開祖マホメットをエルサレムと天国に導かれた日を祝うイベント。イスラムカレンダーに従うので西暦カレンダーですと2020年は3月22日、2023年は2月18日など毎年バラバラです。フィリピンの国家休日。
イースター
クリスマスと並ぶフィリピンの2大ビッグイベント。イェスキリストの復活を祝います。4月の第二木曜日から土曜日の3日間にフィリピン各地で復活イベントが繰り広げられます。公休日は3日間ですが実際には火曜日くらいから多くのお店が休みに入ります。写真はアンヘレス・シティで繰り広げられたキリストの磔をテーマにした演劇場面。2020年のイースター3連休は4月9、10、11日。3日の公休には勇者の日、聖金曜日、聖土曜日と名前がありますが、地元の人はそれらをひっくるめて『イースター』と呼んでいます。
労働者の日
メーデーは世界各地で繰り広げられる労働者の祭典。5月1日と決まっています。日本ではメーデーは旗日ではありませんが、フィリピンは祭日になります。写真はマニラのメーデーイベントで賃上げなどを要求する労働者たち。
イド・アル=フィトル
イード・アル=フィトルとは、イスラム教の祝日で、ラマダーンの終了を祝うお祭りであり断食終了の象徴イベントです。5月24日です。
独立記念日
三百数十年に渡るスペイン植民地支配からの解放を祝う記念日。1565年にフィリピンの統治を始めたスペインは1898年のアメリカとの戦争で敗れた事によりフィリピンの支配統括権を失います。写真は独立記念を祝うフィリピン学生たち。毎年6月12日。
生贄の日
神の使いマホメットが神の名によって自分の息子を生贄にささげようとする(のちの神からストップがかかります。)旧約聖書のエピソードのひとつを記念するイスラム教の行事。
国家休日です。日にちはイスラムカレンダーに従うので流動的です。2015年~2025年の間で見ると6月から9月の間で制定されています。2020年は7月31日と8月1日。
イスラム教の正月
イスラム教の正月を祝う国家休日です。Amun Jadidと呼ばれています。日にちはイスラムカレンダーに従うので流動的です。2015年~2025年の間で見ると6月から10月の間の1日に制定されております。
預言者マホメットの生誕記念日
イスラム教の開祖マホメットの生誕を祝う記念日。フィリピン国家休日です。2015年は1月3日、2020年は10月29日、2025年は9月5日など毎年記念日はバラバラです。
ニノイ・アキノ記念日
ニノイ・アキノは独裁者としてフィリピンに君臨したマルコス大統領の最大の政敵であり、国民に絶大な人気を誇った政治家。マルコスにより国外追放処分を受けていたが国内情勢を杞憂し独断で帰国。マニラ国際空港(現ニノイ・アキノ国際空港)に到着してタラップを降りた瞬間にフィリピン兵士たちにより射殺されます。この事件が国内の反マルコス機運を爆発させる事になりエドゥサ革命へとつながっていきます。マルコス亡命後に大統領となったのはニノイ・アキノの妻コラソン・アキノ。ニノイ・アキノ暗殺から40年ちかくなりますが今でも国民的英雄としてあがめられています。ニノイ・アキノ記念日は8月21日。1983年8月21日にニノイ・アキノはマニラ空港で凶弾に倒れます。
英雄の日
フィリピン建国のために貢献した有名無名の英雄たちを祭る記念日。写真は英雄の日の中に含まれる9人の名士の一人アポリナリオ・マビニの葬儀の様子。マビニは独立運動のリーダーの一人であり、彼の考え方はフィリピン国家憲法に大きく影響を与えました。毎年8月31日。
諸聖人の日
カトリック教会の祝日の一つで、全ての聖人と殉教者を記念する日。11月1日と2日です。カトリック信者の人口が世界第三位であるフィリピンでは当たり前に実施されるイベント。フィリピンでは家族が一同にあつまって墓地や教会を訪れ先祖を敬うお盆のような意味合いが強いです。写真はマニラのバクララン教会。ろうそくは亡くなった方を追悼する意味を持ちます。
ボニファシオ生誕記念日
ボニファシオは独立運動リーダー2大巨頭の一人。仲間の裏切りによる非業の死を遂げたのもあってか、スペインからの解放戦士の中ではとびぬけて人気が高いです。
写真はマニラのボニファシオ地区。マカティ、オルティガスと並びマニラで一番栄えているスポットです。写真はボニファシオ(正式名グローバルシティ・ボニファシオ)の夜景です。
クリスマス
キリスト国家であるフィリピンのクリスマスは定番の12月24日と25日だけではありません。バーマンス(Ber Month)と呼ばれる9月(September)、10月(October)、11月(November)、12月(December)でデコレーションが飾られていきクライマックスの12月24日、25日に向けて盛り上がっていきます。写真はイルミネーションで飾られるセブのクリスマスの夜。
英雄の日
8月31日が有名無名の英雄の日ですが12月30日はホセ・リサールという個人を英雄として崇める日です。15の言語を操る詩人、画家、小説家、そしてボニファシオと人気を二分する独立運動の英雄。マルチスーパーマンです。日本人の彼女がいて日比谷公園に彼の銅像もあります。スペイン官憲によって捉えられるイントラムロスで投獄、処刑されます。12月30日は彼の命日です。
大晦日
フィリピンは年末年始よりクリスマスのほうが大きなイベントなので、大晦日や正月は大々的なお祭り騒ぎにはなりません。ただ午前零時前後にあちこちで花火を打ち上げます。それと帰省ラッシュなどで長距離バスターミナルはかなり混みあいます。
※本稿の写真は筆者自身が撮影した物、コピーライトフリーのFlickrから借用した物で構成されております。