会話力と読解力のギャップに驚く
ずいぶん昔のアメリカ大学時代メキシコ人やレバノン人と一緒によくつるんで遊んだ経験があります。彼らの英会話のうまさには舌を巻きました。洗練された表現をうまく使いこなします。うらやましくも思う反面劣等感さえ抱きました。しかしながら彼らの英語読み書きレベルが中学生のビギナー級であったことも同じクラスになった時に気づきました。一人の人間の中に英語のデコボコギャップが同時に存在する事に驚かされたものです。[br num=”1″]ですがよく考えてみると講読と文法がめっぽうつよく、スピーキングがからきしだめというパターンが多い日本人も真逆タイプのデコボコギャップ人間ですね。
耳で入る学習と目で入る学習
私個人の意見となりますがある特定要素だけ突出するいびつな英語人間が出来上がる要因はその学習方法にあると考えております。
スピーキング力に突出した能力の持ち主は英語を耳から覚えていきます。普段のなにげない会話を耳でしっかりとらえ、それを実践でどんどん口から出して試したり応用して使う学習方法です。生きた英語のアウトプット反復です。
一方リーディング力に突出した日本人は目から覚えていきます。英語の書物の前でにらめっこし、つまづいた部分は辞典や参考書で調べてから丹念に前に進む傾向があります。試行錯誤を重ねながらじわじわと目から吸収していきます。アウトプット訓練はとりあえず後回しです。戦後に日本英語教育のパイオニアたちが英語構文を一字一句丁寧に翻訳する勉強方法を広めたと聞いております。今も続く講読中心の勉強スタイルはその当時の教育指導のその名残かもしれません。
読解力育成は難しく会話力育成は比較的簡単
日本人の中に英語の構文は読めてもスピーキングができないので英語に対する劣等感を持っている方がおられます。ですがコンプレックスを抱く必要はまったくないように思われます。大学の受験勉強を経験された方ならある程度英語構文の構成や内容を辞書なしでも把握できます。英会話に最低限必要である1,200の中学英単語も身につけています。大学受験に必要とされる英単語は派生語も含め4,000くらいと言われております。これだけの英単語を使いこなせるようになれば専門技術分野以外ほとんどの一般事柄を細部まで表現できます。
英語は大きくスピーキング、ライティング、リーディング、リスニングの4部門で構成されております。[br num=”1″]この中で習得難易度が高いのはリーディングとライティングです。英文が読めるようになるには単語力と我慢強い努力の積み重ねが必要です。長く時間がかかった分、英語の構図をよく理解できるようになっていますし忘れ難くなっています。このレベルですと英語構造を把握しているのでライティング勉強してもさほど苦になりません。[br num=”1″]一方スピーキングやリスニングは慣れです。深い熟考や複雑な勉強は必要ありません。聞いた事を憶える事の繰り返しです。小学校前の読み書きができない子供が自分の意思をある程度伝える事ができる事実がその事を示しています。
大学受験学習経験者は飛躍する準備ができている
本格的な英語力を目指すのであればスピーキング突出型よりはリーディング突出型の方のほうが2歩も3歩も先に進んでいます。英語学習で一番時間がかかり難しいリーディング部門をこなしたアドバンテージがあるからです。すこし踏ん張ればスピーキングやライティングも身につけられるポジションにいます。 [br num=”1″]一方スピーキングだけできる条件でリーディングやライティングに進む場合はおおきな努力と苦労をともなうはずです。口語体より文語体のほうが勉強する分量が多く、難易度も高いからです。[br num=”1″]大学受験を経験した日本人にはインターナショナルコミュニケーターになれる好条件が揃っています。基礎があるのでフィリピン留学でスピーキング中心の勉強をすれば短期でもかなりの成果が期待できます。英語がしゃべれないからといって劣等感を持つ必要はありません。すこしの勇気といくばくかの積極性とたゆまぬ努力があれば飛躍できると思います。