四つの単語が象徴するフィリピン人のキャラ
フィリピン人の特徴はアルファベットFから始まる4つの単語で言い表せられると言われています。それらはFaith、Family、Face、Festaです。
Faith(信教)
フィリピンはアジアで唯一のクリスチャン国。人口の83%はキリスト教です。そしてその多くはキリスト教の中でも戒律が厳しいカトリック。毎回教会にいくので日曜日には仕事しない馴染みのマッサージ師のお兄さん、バーマンス(セフテンバー、オクトーバー、ノベンバー、ディセンバー等下にバーがつく9月から12月のクリスマス祝祭期間)にはピークであるクリスマスに向けたクリスチャン関連のグッズが装飾される町並み、ほとんどのお店が休みになるキリストの復活祭の期間(イースター)など宗教が一般生活にあふれています。フィリピンに大家族やシングルマザーが多いのも子供は神様から与えられた授かりものとする考え方が根付いているからです。
写真はマニラ大聖堂。フィリピンカトリック教徒の総本山。1981 年にローマ法王ヨハネ パウロ 2 世もここを訪れています。創立は1581年。
Family(家族)
フィリピン人はことのほか家族思いです。家族単位で物事を考えたりします。ホテルも1人部屋、2人部屋という設定は少なく一家族単位を想定した1室料金でチャージする所が多いです。レストランも1人用カウンターはほとんどなくテーブル主体です。ファストフードショップや日本系・韓国系レストランに言っても1人は私だけ。家族単位が主体で恋人同士、友達同士もいます。家族は一心同体なので助けるのは当然ととらえられます。
フィリピン人女性と結婚をするのであれば両親や兄弟は家族の一員となります。困っているのであれば助けるのは当然という考え方になります。ひとつの家に三世代、娘の旦那さんとその家族も同居するようなケースも多いです。
ショッピングモールなどの高級スーパーに行くと大量に食品を買っていく家族連れをよく見かけます。フィリピンの物価は日本に比べると安く3~4割引きくらいですがフィリピン人ひとりの給与は月額3万円くらい。稼ぐ額と消費額のバランスが合わない気がいたします。その事についてフィリピン人の友人に聞いてみました。『それは海外で働く家族からの仕送りがあるからよ。』
海外で働くフィリピン労働者の収益はフィリピンGDPの12%に及ぶと言われています。海外で苦労しながらもフィリピンの家族にお金を送り続けます。年間1千万人以上。フィリピン人は公用語である英語が堪能。
世界で英語が話せる人口は17億5千万人。世界で働ける口はたくさんあります。出稼ぎ先はアメリカ大陸と中東が多いです。
Face(メンツ)
フィリピン人は叱られる事にあまりなれていません。遅刻したりしても笑ってゆるされてしまう気質がこの国にはあります。きつい口調でしかったりすると勤務先を辞めてしまう事もあります。ですからフィリピン人に対しては何か間違った事をすれば諭す感じで伝えたほうがいいと思います。罵倒するなどもってのほかです。強い口調で怒ったりすると侮辱されていると受け取る場合もあります。フィリピン人はプライドが高くメンツにこだわりがあります。
2年前に不幸な事件がありました。フィリピン人トライシクルドライバーが観光客を射殺した事件です。トライシクルは客車付きバイクのタクシーの事です。宿泊先ホテルまでの道を間違えたトライシクルドライバーに対してホテル前でさんざん悪態をついた外国人観光客がいました。ドライバーは侮辱されたと思い拳銃を取ってきてホテル前で待ち伏せしてその外国人が出てきたところで銃を撃ちました。これはかなり極端な例ですがメンツを重んじるフィリピン人の性格の一端を表しています。フィリピン人はちょっとしたミスやヘマを大きな気持ちで許してくれる寛大さがありますが、こと自尊心に関しては敏感です。
Festa(お祭り)
フィリピン人はお祭りとパーティーが大好きです。各都市でいろいろなお祭りイベントが行われ大きなものではリオのカーニバルのような熱狂的なものもあります。ただFestaという単語は単純にフィリピン人のお祭り好きという限定な気質だけでなく、明るく陽気で楽天的な性格をも意味合いに含んでいると思われます。フィリピン人はめげません。台風や地震で家が壊れても折れたりせず明日はなんとかなるさという楽天的な気持ちを持ち続けます。ポケットにお金がまったくなくてもうじうじしません。フィリピンに自殺者がほとんどいないのも彼らの性格から見てうなずけます。見習うべき部分だと思っております。
毎年1月9日にマニラのキアポという街で開かれるブラック・ナザレ際。大通りは人で埋め尽くされます。