世界有数の経済誌フォーブス(本社はニューヨーク)は毎年春に恒例の長者番付ランキングを発表いたしますがその中からお金持ちランキングフィリピンベスト10人をご紹介いたします。
2020年版のランキングでは大きな変化がありました。2018年まで11年連続1位であったフィリピン経済界の巨星ヘンリー・シーが2019年1月に亡くなるとその資産は6人の子供たちに分割され、2020年版のベスト10ランキングにシー財閥一族5人がランクインする事になりました。サクセスストーリーではなく財産分与が大きくランキングを左右しているので少し味気ない結果です。
2020年版フィリピンランキング
写真は2019年に死去したフィリピンで一番の大富豪ヘンリー・シー。
1位は不動産王
マヌエル・ビリヤル。70歳。純資産56億USドル。名門フィリピン大学卒。会計士から不動産業界へ。2台の砂利トラから建設業をスタート。建築と売買で成功。彼の会社は20万戸以上の家を作り上げた。一方政治家としても活躍。下院議員、上院議員を務めた。ヘンリー・シーの死去により繰り上げ1位。
2位は海運王
エンリケ・ラソン。59歳。純資産34億USドル。
祖父が1916年にコンテナー業をスタートさせ、父が大きくし、孫であるエンリケ・ラソンだ国際企業に成長させます。アメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界中に海運ビジネスを展開し沖縄にも進出しているそうです。近年はカジノ産業にも進出し、マニラSMの象徴のひとつモールオブアジアの隣にソレイユというカジノ兼リゾートホテルを経営しております。2017年の長者番付ではフィリピンのお金持ちランキング第三位。
3位はヘンリー・シーの息子
ハンス・シー。64歳。純資産24億USドル。
街の靴屋からフィリピン最大のショッピングチェーングループ(SM)に育て上げた伝説の男ヘンリー・シーの次男。ハンス・シーはSMグループで不動産部門を担当。Disaster Resilience=大都市圏の防災・減災を 考える場合にとくに従来の予防力に 加えて,災害を乗り越える力(回復力)を加えた総合的な力を強く訴える人。
4位もヘンリー・シーの息子
ハーバート・シー。63歳。純資産22億USドル。
SMグループでは小売店管理部門、スーパーマーケット部門を担当。
5位もヘンリー・シーの息子
ハーレー・シー。60歳。純資産19億USドル。
SMグループの金融および投資部門担当。ヘンリー・シーの4男。
6位もヘンリー・シーの息子
-ヘンリー・シー・ジュニア。67歳。純資産19億USドル。
ヘンリー・シーの長男。SMグループの重職を歴任。
7位はマルチ企業オーナー
アンドリュー・タン。68歳。純資産19億USドル。
10歳の時に父に連れられてフィリピンに渡り裸一貫で巨万の富を築き上げた伝説の男。マクドナルドのフィリピン国内運営総責任者であり、フィリピンで最も人気があるブランディー(Emperador Brandy、2006年には世界で最も売れたブランディー)の製造会社オーナーであり、大手建設会社の会長です。
8位はヘンリー・シーの娘
テレシタ・シー・コソン。70歳。純資産18億USドル。
ヘンリー・シーの長女。SMグループで投資および金融部門を担当。ヘンリー・シーの子供6人中ベスト10に入らなかった次女は12位。
8位は不動産・リゾート開発
ロベルト・オンピン。83歳。純資産17億USドル。
不動産やリゾート開発を手掛ける。アメリカのハーバード大学で修士課程を修了。独裁者マルコス政権下で最後の通産大臣を務める。エドゥーサ革命によるマルコス失脚の数日前に反政府側に鞍替え。アキノ新政府下では財務大臣をまかされる。
フィリピン航空オーナー
ルシオ・タン。86歳。純資産17億USドル。
ナショナルフラッグキャリアであるフィリピン航空のオーナー。中国で生まれるが両親に伴いセブに渡航。学生時代は靴が買えなかったので素足で学校に通ったというエピソードが残っています。ヘンリー・シー同様一代で巨万の富を築き上げた第一世代の一人。
Forbes Philippines Billionaires List in 2020
SMとは
SMはフィリピン最大の小売店を中心としたショッピングモールグループ。フィリピンの大きな街ならかならずといっていいほどその中心地にモールを構えます。男女老若を問わず、週末にSMで過ごすのはひとつの生活パターンになっているほど国民の中に浸透しています。
1958年に首都マニラで靴屋(SMはシューマートの頭文字)を立ち上げた。商業施設を次々に開設、拡大する個人消費を取り込み、事業を急成長させた。現在、71のモールを運営し、スーパーや専門店など約2200の店舗を展開、中国にも進出した。
事業の多角化も進め、傘下には同国最大手銀行のBDOユニバンクや、不動産最大手SMプライム・ホールディングスなどを持つ。近年、グループの事業はSMインベストメンツ副会長を務める長女のテレシタ・シー・コソン氏ら6人の娘・息子が担い、17年には外部から会長と社長を招いた。
東南アジア有数の富豪としても知られた。米誌フォーブスの長者番付で長年、フィリピンの首位に立ち、資産総額は約190億ドル(約2兆1000億円)に上る。
2019年版世界ランキング
1位ジェフ・ベゾス。アメリカ、純資産1130億USドル。(アマゾン)
2位ビル・ゲート。アメリカ、純資産980億USドル。(マイクロソフト)
3位ラリー・エリソン。アメリカ、純資産590億USドル。(オラクル・コーポレーション)
4位マーク・ザッカーバーグ。アメリカ、純資産540億USドル。(フェイスブック)
5位スティーブ・バルマー。アメリカ、純資産527億USドル。(マイクロソフト)
6位ラリー・ペイジ。アメリカ、純資産509億USドル。(グーグル)
7位セルゲイ・ブリン。アメリカ、純資産491億USドル。(グーグル)
8位ジャック・マー。中国。純資産388億USドル。(E-COMMERCE)
9位馬化騰(MA HUATENG)。中国。純資産381億USドル。(Tencent)
10位マッケンジー・ペソス。アメリカ。純資産360億USドル。(アマゾン)
2019年版日本ランキング
1位柳井正。純資産249億USドル。(ユニクロ)
2位孫正義。純資産248億USドル。(ソフトバンク)
3位滝崎武光。純資産186億USドル。(キーエンス)
4位佐治信忠。純資産108億USドル。(サントリー)
5位三木谷浩史。 純資産60億USドル。(楽天)
6位重田康光。純資産54億USドル。(光通信)
7位高原豪久。純資産52億USドル。(ユニ・チャーム)
8位森章。純資産47億USドル。(森ビル)
9位永守重信。純資産47億USドル。(Nidec)
10位毒島秀行。純資産45.5億USドル。(三共)
Forbes Japanese richest in 2019