日曜日の夕方にフィリピンの高級ショッピングセンターの中を歩いていると女性たちの『キャーキャー』叫ぶ黄色い歓声が聞こえてきました。近寄ってみると特設ステージの上をグラマラスで綺麗な女性たちが歩いていました。
何の疑問ももたず普通のモデルショーだと思いバチバチ写真を撮りますが、帰宅してお手伝いさんに撮影したものを見せたところ『トランスジェンダー(性転換した人たち)とゲイの人たちのショー』との事。
びっくり仰天です。
ショーの様子
トランスジェンダー部門
参加者たちは皆仮面をつけており、同じ服を着ています。舞台のそでから現れステージ花道を数分間歩き退場するというパターンが繰り返されます。ファッションショーと同じです。
会場はNew Pointというアンヘレス地域では高級品ばかりを集める富裕層用の格式あるショッピングセンターの屋内広場。
ショーの名前もPampanga New Imag(パンパンガの新しいイメージ)。ゲイやトランスジェンダーを連想させるものではありません。通りすがりの人が見ると普通のモデルショーに見えます。ちなみにパンパンガはアンヘルス、ターラック、サンフェルナンドなどの地方都市を網羅するマニラ北100~150㎞周辺に位置するフィリピンの州のひとつです。
ゲイ部門
こちらの方も家政婦さんに言われるまで気づきませんでした。5~6名の男性モデルさんを見ました。この日私が見たのはトランスジェンダー部門とゲイ部門。あとでPampanga New Imageのホームページで調べた所ティーンエージャー部門、子供部門などもありました。二度びっくりです。
観客
ショーを見物している観客たちは普通の人々です。家族、恋人同士、友達同士など、いたって普通です。子供も結構いました。
私が特設ステージを通ったのは夕方5時半頃。ショーは2時30分頃からスタートしたと聞いたので3時間はやっていた事になります。地下にステージがありその周辺および2階、3階から観客たちがステージを取り囲んでいました。私が撮影していた時間には150名くらい観客がいたと思います。
選りすぐりの参加者の中で特に歓声が高かったのがこちらの女性。盛り上がりは最高潮でした。他のモデルの人たちがスリムでグラマラスな体系であるのに対し、この方はふくよかな体格。そういえばフィリピンでは背が低く小太りな男性が結構もてます。興味深いです。
おわりに
オネエ系タレントミッツ・マングローブさんがテレビで『おカマが一人でると一族はいろいろ大変なのよ』とコメントしていました。今やはるな愛さん、マツコ・デラックスさん等の活躍により、だいぶ知れわたる事になった少数派の人々の存在。
ただ社会全体で自然に受け入れられているふうには見えません。
フィリピンの多種多様な職場でおねえ系の男性たちが普通に雇用されております。国会議員の中にもトランスジェンダーがいます(上の写真。ジェラルディン・ローマンさん。2016年に国会議員に当選)。2016年・第29回東京国際映画祭のコンペティション部門で最優秀男優賞(パオロ・バレステロス)および観客賞を受賞したフィリピン映画ダイ・ビューティフルはトランスジェンダーが主役です。テレビドラマの配役の中におねえ系の人が普通に出演しています。町をあるいていると女性友達群の中におねえ系の人が普通に混じっているのをよく見かけます。
文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、少なくとも自分とはまったく違う人たちを受け入れる度量に関してはフィリピン人は大きいと言えるでしょう。
動画
こちら今回のトランスジェンダーショーをまとめた動画となります。