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国立山口大学がバギオの団体研修に出発する前に福岡空港で撮影した記念写真
フィリピンの語学学校はすべての学生を無条件で受け入れますがそうでない学校がふたつ存在いたします。バギオのPINESチャピス(Chapis)校とHELPマーティンス(Martins)校です。
英語レベル中級者、上級者専門学校です。両校に入るためにはスカイプによるインタビュー入学試験で事前に合格しておかなければなりません。
TOEIC700点くらいの実力があればパスすると言われています。本日はフィリピン留学業界最高峰であるPINESチャピスとHELPマーティンスの比較を行います。
写真はPINES、HELP、MONOLの団体定期研修に参加するため福岡空港に集まった国立山口大学の学生たち。

受講コースの選択傾向

こちら2018年6月に調べましたPINESチャピス校とHELPマーティンス校の在学生の選択コース統計となります。統計調査時の寄宿舎の埋まり具合は両校ともほぼ満室状態です。

 PINESチャピスHELPマーティンス
IELTS50%50%
TOEIC、TOEFL25%20%
ESL25%30%

※HELPマーティンスのESLコース受講生統計にはビジネスコース受講生も含まれております。チャピスにビジネスコースはございません。

両校の統計を見た場合IELTSが共に50%。TOEFL、TOEICも含めた英語検定試験コース受講者のパーセンテージは70~75%。両校に通う学生たちの受講コース選択傾向は驚く程よく似ています。
これら学校を選ぶ理由の大半は英語検定スコアを獲得する目的というのがよくわかる統計です。

共通点

入学基準

先にのべましたように両校に入るためには入学試験に合格しなければなりません。インタビューアーが質問して適切に答えます。スピーキングのなめらかさ、発音、イントネーションはもちろんの事返答内容の論理性もチェックされます。
この他にもう一つ入学方法があります。系列校でレベルアップして這い上がる手段です。PINESの場合は初級中級用学校であるメインキャンパス、HELPの場合はバギオのロンロンキャンパス、クラークのクラークキャンパスがあります。それらで実力を上げてからアップグレード転校します。

EOPの実施

English Spoken Hereと書かれたボード
PINESチャピスもHELPマーティンスもEOPが徹底しております。母国語を使用している事が発覚すれば罰金を取られます。両校複数回訪問時の印象ですがEOPはかなり徹底されている感じを受けます。
余談になりますがフィリピン語学学校でEOPを実施している学校は非常に少ないです。統制と管理が難しいからです。EOPを実施している学校はバギオのPINESチャピス、HELPマーティンス、MONOL、マニラのC21、セブのCIJクラシックなど数えるくらいしかございません。

グループ授業の定員制

チャピスもマーティンスも正規グループ授業は定員4名くらいまでときっちりしています。大学講義式の傍観者でいられる事はありません。他の留学生の意見に対してコメントをしなければならないときもありますし、人前でプレゼンをする場合もあります。
自分の英語が他の留学生にもきちっと通じるか確認できる場にもなります。

平日外出禁止

6時20秒前を示す時計
PINESもHELPもスパルタ学校ですので平日は外出禁止、週末は外出自由というパターンになります。このルールはほとんどのスパルタ語学学校が採用しているので特別な事ではありません。但しHELPマーティンスの日曜日の門限は午後6時です。PINESも含め通常午後9時の門限が一般的です。HELPマーティンスの門限はフィリピン留学業界では恐らく一番厳しいものになります。

相違点

タイムスケジュールの違い

Pinesチャピスのグループ授業風景
PINESチャピスは典型的な管理型です。朝のオプション授業は参加自由ですが正規授業が夕方まで続き夕食後に義務参加のオプション授業、その後に2時間の義務自習に突入いたします。義務自習する部屋は各自振り当てられていてきちんと勉強しているかどうか学校スタッフが巡回します。管理型のタイムスケジュールが毎晩10時頃まで続きます。この繰り返しです。
HELPマーティンスは管理型学校ではありません。ある程度授業間にゆとりがあります。正規授業とオプション授業を含めた授業総数はPINESより少ないです。夜の自習時間は設けられておりますが、基本学生の自覚にまかせます。頭を押さえつけられるような指導パターンではなく、自分のペースで勉強されたい方に向いています。
写真はPINESチャピス校のグループ授業風景。

科目の変更

PINESチャピスは基本選択されたコースに含まれる科目を変更する事ができません。学校がカリキュラムで提示する科目を黙々と勉強する事になります。Premium7というマンツーマン授業のみで構成されるコースでは一部科目を変更できますが、例外的な存在です。PINESでは基本科目変更はできないとご理解くださいませ。『私が言うとおりやりなさい、その代わり実力は引き上げてあげますよ』というスタンスです。
HELPマーティンスでは科目は講師と相談して選択、決定できます。このような柔軟性はPINESを含むスパルタ学校はあまり見られません。PINESに対してというよりはスパルタシステムを運営する語学学校の中では希な存在と言えます。スパルタというシステムを望みながらも自分の弱点などをピンポイントで勉強されたい場合には適しています。

コースの比較

HELPマーティンスのマンツーマン授業風景
PINESチャピスもHELPマーティンスも提供するコースはほぼ同じです。ESLコースを軸にIELTS、TOEIC、TOEFLコースが準備されております。相違点としてHELPマーティンスにはビジネスコースがありますが、PINESチャピスにはありません。但し生徒のレベルによってはチャピスではビジネス科目を1コマ選択できます。
HELPマーティンスはESLとともに英語試験対策コースに対しても長年力を入れてきました。一方PINESはESL指導がメインで英語試験対策コースに本格的に力を入れだしたのは近年です。ESLのPINES、英語試験対策のHELPと呼ばれた時代がありました。
写真はHELPマーティンスのマンツーマン授業風景。

立地、施設、食事、お部屋、Wifiについて

PINESチャピスはバギオ市内に属しますが中心地からは少し遠いです。一方マーティンスは中心地から近くインターナショナルスクールや外国人用の病院が近くにあるなど富裕層が在住するエリアに所在いたします。
施設面ではPINESチャピスが2013年に新築グランドオープン、HELPマーティンスは20年前のフィリピン留学創世記から一貫して同じキャンパスを使い続けています。施設の綺麗さではチャピスの圧勝です。
チャピスの学生部屋タイプは1人部屋、2人部屋、3人部屋、マーティンスは1人部屋、2人部屋です。事前に知っておかなければならない情報としてはマーティンスの1人部屋に窓がありません。但しファンがよく機能しているのであまり気にならないという利用者の声はありました。
食事の評判は双方とも悪くありません。甲乙つけがたし。ただし両校とも土曜日は朝と夜の食事が提供されず朝と昼を合併したブランチのみになります。日曜日、祭日は夕食は出ますが朝食は提供されず、ブランチスタイルになります。月曜日から金曜日まで3食出ます。
WifiはPINESでは全施設でつながるのに対しHELPは指定ゾーンです。繋がり具合もチャピスのほうがマーティンスより優秀だと思います。

在学生の英語レベル

こちら2018年7月のHELPマーティンスの在学生の半数を占めるIELTSコース受講者の英語レベルを示す統計です。
リスニング :5.46
リーディング:5.56
ライティング:5.39
スピーキング:5.63

IELTS平均5.5点を持っています。かなり水準が高いと見ていいでしょう。
残念ながらPINESからの在学生レベルを示す指標は入手できておりません。ただチャピスの場合ベトナム人や中国人に対しては一部入学査定が甘くなるという話をたまに在学生から聞きます。

最後に

Twin Peaksとふたつの山が書かれたイラスト
PINESグループ、HELPグループともフィリピン留学創世記から学校を運営しているので実績十分です。時をへた今もなお共に学生の占拠率が高い人気校ですので学生たちからの高い評価や支持率も維持し続けております。洗練された講師とカリキュラム、運営システムの名声はフィリピン語学学校の中でも屈指です。ただこの2校の一番の魅力は屈辱感を味わいながら自分のモチベーションを一段階上に引き上げてくれる事だと私は思っています。両校に入れるくらいですから英語の実力はそこそこ自信を持っていて周辺でもある程度認められているはずです。ですがいざ入学してみると現役のキャビンアテンダントやIELTS7.0保有者がいたりして、彼らとのディスカッションについていけなくて見事にプライドをへし折られたりします。こういうありがたい機会にはなかなか巡り会えません。

HELPマーティンス閉鎖

2019年2月16日HELPマーティンス校は建物の老巧化が理由で閉鎖され、同じバギオにある同系列HELPロンロン校と合併する事になりました。
HELPマーティンス校で実施されていた運営システムはロンロン校でも引き継がれています。ロンロン校は英語レベル初級の生徒も受け入れているので『中級者、上級者専門学校』という冠はなくなりました。合併前にロンロン校になくマーティンスでは実施されていたIELTS、TOEIC、TOEFLの試験対策コースもロンロン校で引き継がれる事となりました。
但しビジネスコースは引き継がれず消滅いたしました。今後詳細がわかりましたら加筆いたします。

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